【第2回】外でも使える?用紙を屋外に放置して耐候性を検証!
|「水・氷・光」どこまで耐えられる?シール・ステッカー・ラベル用紙検証テスト
「お気に入りのステッカーを外に貼りたいけれど、すぐに色あせたり剥がれたりしないかな?」
そんな疑問にお答えするため、今回はシール・ステッカーの種類ごとに「屋外環境でどれだけ耐えられるか」の実験を行いました。
日差しが非常に強く、雨も多かった8月中旬からテストを開始。過酷な環境下で、ステッカーたちがどのような変化を遂げたのか、詳しく解説していきます。
耐候性テストの方法について
テスト開始時期:2025年8月13日(水)から60日間
日差しが非常に強く、期間中は雨の日も多い環境下で実施しました。太陽の直射日光、激しい雨、風などあらゆる屋外環境をダイレクトに受ける状態です。
テスト方法
・各ステッカーをアクリル板に貼付
・屋上に設置し、直射日光・雨・風・雪などを直接受ける状態に
・7日目/15日目/60日目で経過観察
・以下をチェック
▶用紙表面の劣化
▶インキの色変化
▶接着力の維持
それでは、5つのカテゴリーに分けて結果を見ていきましょう。
テスト用紙の分類
1.シール(ラミネート無し)
▶用紙:アート紙(ラミネート無)、上質紙、クラフト
▶紙素材のシールです。屋外では最も変化が出やすい素材です。
▶経過観察
・7日目:大きな変化は少ない
・15日目:表面劣化が見られる
・60日目:表面劣化・色抜けが顕著
紙は水分を吸収しやすく、紫外線にも弱いため、長期屋外使用には不向きです。屋内への使用が適しています。
2.シール(ラミネートあり)
▶用紙:アート紙 (光沢ラミネート) 、アート紙 (マットラミネート)
▶紙素材のシールの表面に、保護用のラミネートフィルムを貼り合わせたタイプです。
▶経過観察
・7日目:大きな変化は少ない
・15日目:用紙自体の劣化が見られる
・60日目:表面劣化・色抜けが顕著
防水・防汚ができるラミネート加工された用紙ですが、野外ではこのような効果がございませんでした。
切り口などの隙間からラミネートフィルムと用紙の間に水分が入り込むと、にじみや汚れ、用紙の変色を引き起こす原因となります。
3.PET・PP・合成紙(ラミネート無し)
▶用紙:ユポ紙、光沢ユポ紙、透明テトロン、白塩ビ(PVC)
▶紙材質ではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)・ポリプロピレン(PP)・ポリエステルなどで作られた用紙ですので耐久性があり、完全防水が可能となります。
▶経過観察
・7日目:大きな変化は少ない
・15日目:若干の色あせが見られる
・60日目:色抜けが顕著
紙よりも水に強く、ベース素材自体の耐久性は高いですが、インキが直接紫外線にさらされるため、長期では色変化が見られます。。
4.PET・PP・合成紙(ラミネートあり)
▶用紙:ユポ紙(マットラミネート)、銀色テトロン(光沢)、銀色テトロン(マット)、白塩ビ(PVC)(光沢ラミネート)、ホログラム
▶耐久性・完全防水が可能なPET・PP・合成紙にラミネート加工をした用紙です。
▶経過観察
・7日目:大きな変化は少ない
・15日目:若干の色あせが見られる
・60日目:色抜けが顕著
ラミネート加工を施しましたが、色あせを抑制する効果は見られませんでした。
5.屋外用ステッカー
▶用紙:マットラミネートPVCステッカー、光沢ラミネートPVCステッカー、透明ステッカー(PET)、シルバーヘアラインステッカー
▶屋外専用設計の屋外用ステッカーです。
▶経過観察
・7日目:変化なし
・15日目:変化なし
・60日目:変化なし
明らかに他素材との差が出ました。強い日差し・雨風にさらされても、色・接着力ともに安定しています。
※本テストは、当社で取り扱っている材質に限定したものです。
※同名の材質であっても、メーカーや厚み、加工方法などが異なるため、他社製品では結果が異なる場合がございます。あらかじめご了承ください。
耐候性テストまとめ表
| 分類 |
表面の劣化 |
インキの色変化 |
接着力の維持 |
| シール(ラミネート無し) |
著しい劣化 |
C,Kインキのみ変化なし |
○ |
| シール(ラミネートあり) |
明確な劣化 |
C,Kインキのみ変化なし |
○ |
| PET・PP・合成紙(ラミネート無し) |
軽微な劣化 |
C,Kインキのみ変化なし |
○ |
| PET・PP・合成紙(ラミネートあり) |
軽微な劣化 |
C,Kインキのみ変化なし |
○ |
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屋外用ステッカー
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変化なし
|
変化なし
|
◎
|
今回の実験で、色の変化と同じくらい気になっていたのが「接着力」です。「雨に濡れて乾いてを繰り返すと、ペロンと剥がれてしまうのでは?」と予想していました。
しかし、驚いたことにどの用紙においても、濡れて乾くサイクルを繰り返しても、しっかりとアクリル板に貼り付いたままの状態を維持していました。
もちろん、紙製のシールは表面がボロボロにはなりますが、糊(のり)そのものの接着力は意外とタフ。一度しっかりと圧着してしまえば、水分による影響だけで簡単には剥がれないことが再確認できました。
用紙別まとめ表
なぜCMYKのうち「青(C)」と「黒(K)」だけが残りやすいの?
実験を続けると、赤(マゼンタ)や黄色(イエロー)から先に消えていき、最終的に青(シアン)と黒(ブラック)だけが残る現象がよく見られます。
これは、インキに含まれる「顔料」の化学結合の強さが理由です。
理由は主に以下の通りです:
・ブラック(K)はカーボンブラック顔料を使用することが多く、紫外線に非常に強い
・シアン(C)顔料は分子構造が比較的安定している
・イエローやマゼンタは紫外線で分解されやすい傾向がある
そのため、退色が進むと「赤っぽく抜ける」「黄色が薄くなる」といった現象が起きます。
ラミネート加工にはどんな効果があるの?
「ラミネート(ラミ)」は、単にツヤを出すためのものではありません。屋外で使用する際には、主に以下の3つの役割を果たします。
▶紫外線カット: UVカット機能付きのラミネートは、インキを破壊する紫外線を遮断し、色あせを大幅に遅らせます。
▶防水・防汚: 水分や汚れが直接用紙に触れるのを防ぎます。
▶物理的保護: 砂埃や雨風による「擦れ」から印刷面を守ります。
ただし、一般的なシール用紙にラミネートを施しただけでは、屋外専用ステッカーほどの耐候性は得られず、完全に色あせを防ぐことはできません。
なぜ「屋外用ステッカー」は外でも平気なの?
一般的なシールと、専用の「屋外用ステッカー」の最大の違いは、素材とインキの組み合わせにあります。
▶屋外用インキ(溶剤インキ・UVインキ等): 一般的な印刷インキよりも耐光性が格段に高い専用インキを使用しています。
▶用紙自体が屋外仕様: 用紙には塩化ビニール(PVC)や厚手のPET材質が使われており、温度変化による伸縮や破れに非常に強いのが特徴です。
この「耐候性用紙 × 耐候性インキ × UVラミネート」の3層構造が、過酷な屋外環境への適応を可能にしています。
屋外用ステッカーはどんなシーンで使える?
車両用ステッカー
工事現場表示
店舗屋外サイン
ウィンドウディスプレイ
自動販売機ラベル
屋外設備表示
キャンプ・アウトドア用品
まとめ:屋外への耐候性テストで分かったこと
今回の実験で、屋外での長期使用には「屋外用ステッカー」が圧倒的に有利であることが分かりました。
・ラミネート加工されたシールは防水効果はあるが、色あせについては効果がなかった。
・シールの場合、屋外環境で約2週間ぐらい使える。
・接着力については、どの用紙も雨に濡れて乾くサイクルを繰り返しながら、しっかりと粘り強く貼り付き続けていた。
・屋外用ステッカーは防水力・耐久力・耐候力が圧倒的に強い
「せっかく作ったデザインを長く綺麗に保ちたい」そんな時は、用途に合わせて最適な素材を選んでみてください。
用途に合わせて正しく選ぶことで、コストパフォーマンスも大きく変わります。
実は、このテストに使用した屋外用ステッカーたちは、今この瞬間も屋上で過酷な環境に耐え続けています。
今後、さらに数ヶ月、あるいは季節を越えて大きな変化が現れた際には、また新たなレポートとして皆さまにお届けする予定です。「究極の耐久性」の限界がどこにあるのか、どうぞ楽しみにしていてくださいね!